2017年日本の養豚 死にゆく子豚
どれくらいの期間ここに放置されているのか、いつから歩けなくなったのか分からないが、足を腫れあがらせ、体中黒く汚れ、このまま放置され、このまま死んでしまう頃にはおそらくもっと体は黒く汚れてしまうだろう。
豚一頭あたりの所得が5000円程度だということを考えれば、立つことができなくなってしまった豚を治療したり、吸入麻酔後の薬剤投与という安楽殺をする費用を出すのは簡単なことではない。
せめて隔離して、黒く汚れた体をきれいにし、ハエを追い払い、涼しく風通しの良い清潔な部屋で静かに死なせてやってほしいと思うが、病気の豚にかける余分な手間とスペースを確保することも、今の工場型畜産では難しいだろう。
しかしこんなやり方はあんまりではないか。
命あるものへの最低限の配慮すらできない、それが今の工場型畜産だ。
この豚が糞尿で真っ黒に汚れてボロキレのように死んでいく責任は生産農家だけにあるのではない。人間が圧倒的優位の社会で、この状況を黙認している私たち一人一人に責任がある。
声を上げよう。動物の代わりに。